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February 9, 2014

2014.02.09

岡田尊司「境界性パーソナリティ障害」

Okada_3なぜか「境界性パーソナリティ障害」に興味をひかれる。


今まで過ごしてきた中で、何人かそれらしき傾向を持つ人に
出会ったこともあったが、その時にどんなふうに
対応したら良いのか、全く解らなかった。

彼ら彼女らの、感情の起伏の激しさに巻き込まれてしまいそうで
恐ろしくて、怖かったから、距離を置くことしか出来なかった。

距離を置く事で、なるべく自分がダメージを受けないように
するしかなかった。

しかし、あの時本当はどうしたら良かったのかとか、
もしまた、似たような人に出会ったらどうしたらいいのか、
そんな事を思って、何冊かの本を手に取った。


この岡田尊司の本を読んでいると、私自身にも境界性パーソナリティ障害に
なる可能性があったかもしれない、と思えてくる。
何か、自分の心の奥底を揺さぶられるというか、
他人事に考えられないような気がして、
いくつもの付箋を貼りながら、熟読した。

境界性パーソナリティ障害が発症する理由として
遺伝的要因と、環境的要因に分けて考えられることが多い。
近年、境界性パーソナリティ障害が急増している理由を考える時
環境要因の一つである、親子関係、つまり乳児期に母親との安定した関係が築けたかどうかが
大きな要因を占めるらしい。

虐待やネグレクト(無視・無関心)を受けた子供に見られやすい愛着パターンが
境界性パーソナリティ障害の人に多い割合でみられるらしく、
特に、母子分離のつまづきに発症理由があるという。

母親からの自立していく過程で、愛情や関心が適切に与えられず、その過程をうまく
卒業出来なかったというケースも多いらしい。

境界性パーソナリティ障害を支える、の項目に書かれている
「本人の主体性を重視する」ということ。
その人の人生の主体と責任はその人にあるということ。
結局その人の責任で決断し、行動することでしか、本当の改善は起こらない。

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親の価値観に適合した「よい子」とみなされている子も
安全かといえば、そうとも言えない。
問題が出てくるのは遅れるものの、その子が、
本当の自分というものを見つけ出そうとしたとき、
あるいは、それまでの親の価値観に則って築いてきたものが、
壁にぶつかり無効とされたとき、もっとも大きな打撃を蒙ることになる。
もはやその子は、自分を証す裏づけを失い、自己のアイデンティティと自信は、
急激に崩壊する。(P115~116)
***********

子供の気持ちがあまり汲み取られない、非共感的な「不認証環境」が
自己否定感を生みだす。自己否定感を強く持つ、優等生に
私自身を重ねてしまう。

この本の良いところは、境界性パーソナリティ障害の人を
どのように支えていくのか、改善していくのかについて
周囲の人の出来ることが詳しく書かれていることである。

私がしてきたように、距離を取る、ことができる他人ならともかく
肉親や近しい家族に、境界性パーソナリティ障害の傾向が見られた時
どんな風に接したらいいのかが明らかに書かれている。

もし、境界性パーソナリティ障害だと診断されたのではなくても
情緒不安定の、感情の起伏の激しい人に対しての接し方としても
参考になる部分が多い。


「境界性パーソナリティ障害」 (幻冬舎新書)


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