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2006.07.30

「怒り」を、アサーティブな方法で伝える

アサーションとは、自分のことをまず考えるが、他者も配慮する自己表現のしかたです。自分も相手も大切にした自己表現というわけです。
数日前に、ある友人のメールにムッとし、怒りを感じた出来事がありました。

友人をAさんとします。Aさんから1週間ほど前に頼まれごとをしました。

私なりに、正式にそのことを実行する前に、確認したいことがあったりで実行するタイミングを計っていました。数日経って彼女にもう一度確認するとAさんから、「Bさん(私とAさんの共通の友人)にも同じように頼んでたの。Bさんが頼んでくれたからもう大丈夫、ゴメンネ、ありがとう」と書かれていました。

このメールを読んでムカっとしました。「ゴメンネ」とは書いてあったけれど。

まず第一に「同じことを同時に2人に頼むこと自体が失礼だ」という気持ち、第二に「仮に、話の流れでそういうことになってしまったとしたら、私がメールする前に『Bさんが頼んでくれたから大丈夫。もうshiikoちゃんからは頼んでくれなくて平気だよ』という報告が先に欲しかった」という気持ち。

Aさんには、今までにも「振り回されている」という感覚があり、そんな積み重ねもあった。これには怒りを覚えたし「軽く見られている!」という憤りを感じました。このメールをもらって二日後に会う約束があったので、その時顔を見て、この気持ちを話してみようと思いました。


最初は「頭にきた!」という怒りで心が一杯になり「あの時もああだった、この時もああだった」という過去の出来事も思い出されたりで、なんで私はこの人に振り回され続けなくちゃいけないんだろう、と思いました。今までの私だったら、こういうことがあって、むかつく事が数回あったら何も言わずに関係を薄くする、また家族とか、近しい人だったら感情的に怒りにまかせて相手を攻撃する、という対処をしていたと思います。

でも、怒りを感じながら考えたのは、Aさんという人は他人を振り回す行動は許せないけれど、人間的な魅力があり付き合っていて刺激的で楽しい。これからもいい関係でいたいなということ。でも「相手にいいように使われる、ということは絶対嫌だ。軽く見られるのはゴメンだ。今回こう感じたことをちゃんと伝えよう」ということでした。

読んでいたアサーションの本に従い、私は彼女への気持ちの伝え方の作戦を練りました。本によると、アサーティブな表現をするには、4つのステップを踏んでセリフを考えておくことが必要ということでした。そのステップとは、

①描写する
自分が対応しようとする状況や、相手の行動を描写する。客観的、具体的、特定の事柄、言動であって、相手の動機、意図、態度などではない。

②表現する、説明する、共感する
状況や相手の行動に対する自分の主観的気持ちを表現したり、説明したり、相手の気持ちに共感する。特定の事柄、言動に対する自分の感情や気持ちを建設的に、明確にあまり感情的にならずに述べる。

③特定の提案をする
相手に望む行動、妥協案、解決策などの提案をする。具体的、現実的で、小さな行動の変容についての提案を明確にする。

④選択する
肯定的、否定的結果を考えたり、想像し、それに対してどういう行動をするか選択肢を示す。その選択肢は具体的、実行可能なもので、相手を脅かすものではないように注意する。

このステップで大切なことのうち1つが、①と②をきちんと区別する、ということです。①は誰もが認めることができる、ある程度客観的な事実を主観を交えずに述べる必要があるということ。例えば「あなたが騒ぐから・・」とか「あなたがにらむから・・」と言う表現は①ではない。これはある状況と自分の主観が混じった表現で、これを①と②にきちんと分ける必要がある。正しくは「あなたが大きい声を出すと、私には騒がしいので」とか「あなたが瞬きもしないで私を見ているので、私はにらまれていると感じて・・」という表現が正しい。①でお互いの理解の共通基盤を作り、②では逆に自分の気持ちをそのまま素直に述べることが必要。その気持ちは自分の気持ちであり、自分でそう感じていることを相手が理解してくれることを期待して言うから、正直であればあるほどいい。

また、もう1つ大切なのが、④で結果を予測してその次の自分の対応策、自分の言うことを決めておく、ということ。相手が同意してくれることだけを期待しているのは臆病になる。提案には賛成してもらえることも、反対されることもある。その両方の場合について、自分なりの覚悟をし、対応を準備することで自分の気持ちにゆとりができ、言動の幅が広がる。「相手は自分の思い通りには動かない」けれど、気持ちをわかって相手自ら言動を変えてくれる可能性はある。

「アサーショントレーニング」平木典子 P120~124より、抜粋・要約


この本に従って私は彼女に言うセリフを考えました。

①描写する
「この間頼まれた件だけれど、Aちゃんは私とBちゃんの2人に同じことを頼んだよね」
「2人に頼んでいるということを、私に言わなかったね」
「Bちゃんが手配してくれたから、私はもう考えなくていいってことを知らせてくれなかったね」

②表現する、説明する、共感する
「私なりに数日間、頼まれたことを、どのタイミングで実行しようか、考えて、悩んでたりしてたんだけれど、Bちゃんに頼んだから、の一言で片付けられて頭にきた」
「はっきり言って、振り回された感覚がある。エネルギーを奪われた」
「これから先もこういうことがあると困る」

③特定の提案をする
「話の行きがかり上、同じことを2人に頼むことになったとしたら、それを先に言って欲しい。もう片方の人と打合せすることもできる。」
「また、もし私がそのことについてやらなくて良いことになったのなら『やらなくていいよ』と言って欲しい」

④に関しては、そんなに否定的な状況は思い浮かばなかったけれど、この気持ちを解ってもらえなかったら、たぶん彼女とはこれから先、距離をおいた付き合いしかできないな、とは覚悟しておきました。


当日会ってお茶をしながら話しました。なるべく感情的にならないように。というか、ここまで色々考えてセリフを考えているうちに「冷静に自分の気持ちを伝えること、わかってもらうこと」に気持ちが行って、猛烈なムカツキ、は収まってきていました。

本には「自分が傷ついたときには、そのことを穏やかに相手に伝え、再びそんなことが起こらないように努力してもらうお願いをすればいいのです。そこで相手を責めたり、非難したりすることはないわけです」(P92)とも書いてあり、「Aちゃんを責めているわけじゃないからね」とか「これからはこういうことはしないでほしい」という言葉も付け加えました。

また、決心して自分の気持ちを話すのだけれど、なんとなく謙虚な表現のような気がして、「気にしないで欲しいのですが」とか「たいしたことはないのですが」とか「私が間違っているかもしれませんが」という前置きをしたくなってしまうけれど、これは「どうぞ無視して結構ですよ」と暗に言っているようなものだから、こういう言葉を発するのは良くない、とか。だからそういう類の言葉は挟まないようにしました。

彼女にアサーティブに話をした結果「配慮が足りなくてごめんね」という言葉をもらいました。とても頑張りやで明るくて、話していると楽しいAちゃんとはこれからも付き合って行きたいからこそ、これから先はこういうことが無いようにして欲しい、と言うと良く解ったと言ってくれました。

結果として上手くいったのですが、反省点もあります。初めてこういうことをきちんと話したのでついつい、余計な言葉や余計な話も付け加えてしまいました。「前にもこういうことがあって、あの時もちょっと??と思った」とか・・。

今回のことだけに集中して伝えるべきだったと思います。饒舌になりすぎて蛇足が多くなるのは良くないですね。親に怒られる時に過去のことを持ち出されるのが嫌だった記憶があるけれど、それと同じで「その時その時、1つ1つきちんと表現していくこと」が望ましいのかなと思います。怒りやネガティブな気持ちは溜め込んではよくないのです。

その後の話の流れで、アサーションのことを話し、今回私は勇気を出して表現してみたと言いました。彼女は「人に対して怒りを持つことは余り無い、でももしかしたらそれは自分でそういうふうにしているだけかもしれない」と言っていました。

本にも書いてあるのですが、自己表現の第一歩は自分の気持ちを明確に把握すること。自分の言いたいことを自分ではっきりつかめていないと、アサーティブになれないのです。自分の心に起こったモヤモヤ、嫌な気分、なんでこういう気持ちがしているんだろう?と考えることから始まるし、これを見ないようにしていくと、どんどん心にたまるばかりで良くないですね。

「怒り」の感情は自分が起こしているもの。他者の言動がきっかけで起こっているかもしれないけれど、自分がそれを気に入らなかったり不満に感じるから「怒り」が起こるのであって、怒りを感じたら、自分が怒りの所有者であることを認め、だから自分でどうにかできる、と考える。出来れば怒りの程度が穏やかなうちに表現しておくことが大切だけれど、強い怒りになっている時は「相手に脅威を与えないように、しかし、はっきり『何がいやか』『どうして欲しいか』を伝えることが大切、と本に書いてあります。(p144~145抜粋)

日本人の文化として「察することの大切さ」とか「はっきり言わないことの美徳」みたいなものがあり、もしかしたら日本人はこういうコミュニケーションの仕方には慣れていないのかもしれません。でも、自分の気持ちを表現せずに相手に「察して欲しい」と願うのは無理があると思います。人ときちんとした関係を作っていくためにも、このアサーションの表現方法は、実践していく価値があるものだと思います。きちんと表現できた自分に拍手!!!です。

この本の前半には、アサーティブな表現方法ではない二つの表現「非主張的な表現」「攻撃的な表現」について詳しく触れられています。これを読むと私は「攻撃的な表現しか出来ない親に育てられ、自分も攻撃的になりがちだった」と思います。攻撃的とは、例えば「明らかに不愉快な顔をして、プンプンして、相手とその後はぎこちない関係になる」とかいきなり怒鳴るとか・・。「だめ押し」とか「一言多い発言」なども攻撃的な自己表現に入るとか。自分の気持ちを大切にし、そして周りの人の気持ちも大切にして、お互いに良い関係を作って、気持ちよく人と関わって生きていくために、アサーティブな表現が自然に出来るようになりたいなと思います。あ、もちろん「怒りを伝えない」という選択もあるわけで、自分なりに感じて流していければ、それも1つの方法だと思います。(と本にもありました)


(2014年10月 追記)

この記事がよく読まれているようなので追記します。
「怒り」の上手な伝え方は、下記の記事と記事の中で紹介している本が
とても実践的で、使えますので、ご参照下さい。

↓↓↓

2013.12.16
アサーティブに「批判」に対処、 「怒り」を伝えたこと
http://happy-happy.tea-nifty.com/tane/2013/12/post-6dd7.html


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Comments

shiikoさん、こんにちわ♪
アサーションについて、はじめて知りました。
とても興味があります。
自分の不快感、怒りなどを相手に伝えることが苦手です。
その時はグッと我慢しても、いつまでも心にわだかまりが残ってしまったり、相手と距離を置くようになったりしていました。
アサーション、shiikoさんは、もう実践してみられたのですね。すごいです。
私も平木さんの本を読んでみようと思います。
いつも素晴らしい本を紹介してくれて、ありがとうございます。

Posted by: 野ばら | 2006.07.31 07:22 PM

>野ばらさん
こちらこそ、長い記事を呼んでくれてどうもありがとう!(^^)
怒りの感情が、1番扱いづらいですよね。
伝えたいけれど、上手く伝わるのかどうか。
伝えないほうがいいのか。
自分さえ我慢すれば、全てうまくいくんじゃないか?
こんなことに不快感を覚えるなんて、おかしいのかな?とか・・。
私もどうしていいか、ちっともわかりませんでした。
プンプン怒った気持ちを持ち続ける自分が嫌だったことは確かです。
これから少しづつ、出来るといいなって思います。
一緒にがんばりましょ~(^^)

Posted by: shiiko | 2006.07.31 07:41 PM

こんばんは。はじめまして。
僕もアサーションを注目しています。図書館で『自己カウンセリングとアサーションのすすめ』を借りて読み、とてもよかったので後日買って、手元にあります。うまく、自然に実践できるようになればいいのですが…。

Posted by: Rhyme(らいむ) | 2006.07.31 09:39 PM

Rhyme(らいむ) さん
はじめまして!コメントありがとうございます。
同じようにアサーションに注目されているんですね~。
自己カウンセリングの本も良いのですか?
今度チェックしてみますね!

Posted by: shiiko | 2006.08.02 09:11 PM

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